猫まち

山崎るり子・みじか詩

   ミイヤ(たいぞうさん4)

「ミイヤおいで」

たいぞうさんは今も暗がりに向かって

ミイヤを呼ぶ

たいぞうさんはミイヤの人間だったので

ミイヤはちゃんとやってくる

風が雨戸のすき間から入ってきて

ミイヤが近くにいると教えてくれる

たいぞうさんは新しくした布団にゆっくりともぐりこむ