猫まち

山崎るり子・みじか詩

2019-03-13から1日間の記事一覧

   縁側 3

嫁の悪口は言わなかった 無口な人だった 毎年生まれる猫の子を目の開かないうちに どこかへ連れていった いつも縁側に座り古い野良着を解いていた おばあさんが死んで押入れから手縫いの 雑巾が百枚出てきたそうだ