猫まち

山崎るり子・みじか詩

   ヨモタさんちの猫(3)

ヨモタさんのお母さんはカラスの羽が落ちていると必ず拾う

「ゴミ置場のゴミ袋の横に置いておいて

 カラスの仕業にするんだよ」

「そんなことをしたら」ヨモタさんはそれ以上は言わない

袋にはいつも穴が開けられていて食べ物がこぼれている

 火曜日の朝

昨日カラスに子をさらわれた母猫がカラスと一緒にエビの尻尾を食べている