猫まち

山崎るり子・みじか詩

   透明猫 3

小さなボールを机の上に置いて出たのです

帰ってドアを開けるとき息を止めて

そーっとそーっと開けました

ボールは置いた時のままで そのままで

ミス・クラベルは一人暮らしが二十年になった