猫まち

山崎るり子・みじか詩

   縁側 1

サビ猫を撫でながらおじいさんが言った

「延命措置はしないでほしい」

トラ猫を撫でながらおばあさんが言った

「私のお葬式は樹木葬がいいなあ」

「何かが起きて二人一緒におさらばということもある」

おじいさんは言い二人揃ってだったん蕎麦茶をすすった