猫まち

山崎るり子・みじか詩

   庭

ハゼの木は百の葉の輝きのため千の葉に影を作り

何の間違いも無いという姿で立っている

枝の透き間ではユスリカが群れて踊り

アケビの芽には肩を寄せ合うアブラムシ

猫が通り過ぎる この辺りのボス猫

この庭がだれかの魅力的な場所になっていると思える午後