猫まち

山崎るり子・みじか詩

   岸

向こう岸には一番好きな人を

迎える場所があって

そこに一ぴきの猫が座っている

こちらの岸からゆっくりそこへ

渡っていく人がいる

体を脱いで もうはっきりと

行きたいところへ行けるのだ