猫まち

山崎るり子・みじか詩

   夕焼け

悲しい時は忙しいフリをしてセカセカ歩くといい

又は心臓の音を隠すように猫を抱くといい

そう教わった

夕暮れの街は悲しい人でいっぱいだった

その中に猫まで抱いて行く人を見た

西の空も見ないで